1.4 Limitations of the Lumped Circuit abstraction
久しぶりに洋書の感想を書きたいと思います。
今日は1.4節のLimitations of the Lumped Circuit abstraction(一括した回路の抽象化の限界)をやります。
(こちらで全体の目次を確認できます。)
それでは、さっそく感想を書きます。
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この洋書で詳しくやってきた「一括した回路の抽象化」ですが、ある条件になると限界がくるようです。
その条件とは「信号の周波数が非常に高い」ことです。
前回の復習ですが、「一括した事項の規則」は以下の3つです。
①閉じたループ内の磁気の変化が0である一括した素子の境界を選ぶこと。
②全体の電荷の変化のない一括した素子の境界を選ぶこと。
③信号の時間尺度は、一括した素子を横切る電磁波の伝播遅延よりもずっと大きくすること。
信号の周波数が非常に高くなると、信号の速度が上がります。
そして、信号の速度が電磁波の速度に近づいてしまいます。
それで、一括した事項の規則③を破ってしまいます。
だから、周波数が高いときは電磁波の影響も考えないといけなくなるようです。
特に、最近のコンピュータのマイクロプロセッサは[GHz]の範囲で動いています。
なので、マイクロプロセッサの回路設計では「一括した回路の抽象化」が使えなくなります。
洋書では、このあたりのマイクロプロセッサの話がかなり詳しく書いてありました。
興味のある方は読んでみるといいと思います。
信号の周波数が高いときは、電磁波の影響によって抵抗や導線が普段と違う回路動作になるようです。
それはまだまだ先になりますが、第9章で高周波の回路の勉強できます。
電磁波の影響はコンデンサとコイルで表せば、高周波でも一括した回路の抽象化ができるようです。
そこまで先は長いですが、頑張ろうと思います。
次回は、1.5 Practical Two-Terminal Elements(現実的な2端子素子)をやります。
今まで「一括した回路の抽象化」についてやってきましたが、これには限界もあるようです。
それでは次回をお楽しみに。